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カンボジア 世界の政権で最も多くの経歴を持つ政治家がいた国

こんにちは。

今日は、カンボジア人の24歳男性のSondさんにお話を伺いました。

 

York:簡単な自己紹介ですが、私はアメリカで1年半ほど生活をしています。

 

Sond:そうなんですね。私は以前にアメリカ人と仕事をしたことがあります。

 

York:カンボジアではアメリカ企業で仕事をすることは多いのでしょうか?

 

Sond:いいえ、私はキリスト教徒なんですが、教会の関係の仕事でアメリカ人と少し関りがありました。

 

York:キリスト教カンボジアでは普及していますか?

 

Sond:この国は仏教が国教です。国王や首相は仏教徒ですが、民衆には信仰の自由はあります。現在はおよそ95%が仏教徒です。有名なアンコールワット遺跡はヒンドゥー教の寺院ですが、あれは12世紀に建てられたものです。

 

York:大多数が仏教というのは日本やタイ、ベトナムと同じですね。国王がいるとなるとタイが最も似ている国でしょうか。

 

Sond:そうですね。ただ、タイの国王のように軍を動かす力は持っていません。カンボジアの国王はもっと宗教的な存在です。また、ベトナム社会主義であるという点で、カンボジアとは異なります。

 

York:そうなんですね。国王の人気はどうでしょうか?

 

Sond:とても尊敬されています。まず今の国王は2005年に即位されました。前国王は1941年に即位し、フランスから独立を果たした国王としてとても尊敬されています。その子供が今の国王で、もちろん前国王ほどの実績はまだないですが、モラルの高さが評価されています。

 

York:前国王は長く王位につかれていたのですね。

 

Sond:いいえ、この国は1970年代に共産主義化しました。クーデターが起こり王政は一時廃止されていました。

 

メモ:

 カンボジアで非常に人気のあるノロドムシハヌーク(以下、シハヌーク)前国王は1941年に、わずか18歳で父を通り越して、王に即位しました。彼がカンボジアの王位継承を争っていたノロドム、シソワット両家の血筋を引いていることが背景にあるとされています。しかし、若年のため宗主国フランスの意向に沿うだろうと思惑もあったとみられています。

 1945年に日本がカンボジアからフランス軍を駆逐した状態で、カンボジアの独立を宣言します。しかし、日本が敗戦し、再度フランスが戻って来た際に、アメリカをはじめ諸外国を歴訪し、国際世論に強く訴え、最終的に独立をフランスに認めさせます。そこまで終わらせたのちに、最終的に自分の父に王の位を譲ります。その時、シハヌークはまだ33歳でした。王位を離れたのちは、自ら政治団体を結成し、総選挙に挑みます。結果として、国会の全議席を制し、シハヌーク自身は首相兼外務大臣に就任します。

 その後、父が崩御した後も、母を国家の象徴として、自分は国王には戻らず、新たに国家元首という役職をつくり、政治を執り行います。冷戦の中、中立策を取り続け、隣国ベトナムで戦争が起こる一方、カンボジアの平和を維持することに成功しました。

 しかし、その後は数々の苦難が待ち受けていました。軍によるクーデターにより、中国へ亡命したり、ポルポトへ協力するも最終的に幽閉されてしまったり、その際に子供や孫らは殺されてしまったり、などを経ることになります。最終的には1993年に2度目の王位につき、2004年の生前退位まで国家のために尽くします。国王から首相、大臣、国家元首など様々職に就いたことから、ギネスブックでは「世界の政権で最も多くの経歴を持つ政治家」として認定されています。

 

引用:

ja.wikipedia.org

ja.wikipedia.org