トーゴでの出産と植民地時代
こんにちは。今日は西アフリカのトーゴに住む23歳男性のZacさんにお話を聞きました。
York:英語はトーゴでは普及していますか?
Zac:いいえ、この国はフランス語です。隣のベナンもそうですね。しかし、英語圏のガーナとナイジェリアにこの2国は挟まれているので、それなりに英語を学ぶ機会はあります。
York:小学校では英語の授業はありますか?
Zac:いいえ。こちらは中学校から英語を習います。ちなみに小学校からすでに義務教育ではないため、みんなが小学校に行くわけではありません。小学校を修了し、中学校に行くのは70%くらいでしょうか。
York:子供たちは多いですか?
Zac:そうですね。今でもだいたい1家庭あたり子供は7人います。これでも減りました。小学校は無償ですが、それ以降は大変な費用がかかります。
York:そちらは出産はどんな感じでしょう?
Zac:私は病院ではなく自宅で生まれました。医療スタッフの介助はなかったです。出産のために病院へ行く習慣がなかったのです。ですが、そのため不衛生で、死産となることが多々ありました。
York:アフリカでの乳幼児の死亡率は高いですよね。主な原因はなんでしょうか?
Zac:この国はとても暑いので、それもあると思います。すぐに脱水になってしまい、点滴されぬまま死んでいきます。
York:病院の数は足りていますか?
Zac:最近は増えて、行きやすくなりました。公立病院であれば費用もそこまで高くありません。
York:医師はトーゴ人ですか?
Zac:いい質問ですね。前はフランス人が多かったです。ここへ研修に来ている人もたくさんいます。教授がフランス人なので、そうなってしまいます。しかし、最近はトーゴ人が医師になっているのを目にします。
York:やはり、フランスに植民地化されていた時代の影響は今もあるのですね。植民地化されていたことを、Zacはどのようにとらえていますか?
Zac:いい面と悪い面があります。悪い面を説明するのは簡単です。植民地化により私たちの文化は壊されてしまいました。いい面は、フランス語を話せるようになり、フランスの文化が入ってきたことです。教育や医療などの水準は非常に上がりました。
メモ:
トーゴの乳幼児死亡率(5歳までの死亡率)は1000人あたり60から90人とされており、アフリカでは中間的水準です。一方、日本は3人以下です。世界的にみて、発展途上国では乳幼児死亡率が高く、主な原因として感染症、不衛生な出産、周産期合併症、下痢、栄養失調などがあげられます。ワクチンや抗生剤、栄養サプリ、抗菌ベッドカバー、母乳訓練、家族教育などローコストの介入で乳幼児死亡の2/3は予防できるといわれています。2030年までに乳幼児の死亡をなくすことをSDGsは目標として掲げています。
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