印橋の多い国 トリニダード・トバゴ
こんにちは。
今日はトリニダード・トバコ出身のOwinさんにお話を伺いました。
York:出身はどちらですか?
Owin:私はトリニダード・トバゴ出身です。この国はトリニダードという大きな島とトバゴという小さな島で出来ています。”不幸なことに”コロンブスに発見された島の一つです。
York:カリブ海の島々では、コロンブスはどういう位置づけですか?
Owin:彼らが来たことでこの国のネイティブ住民はほとんど殺されてしまいました。コロンブスの銅像がまだありますが、昨今はそれを公共の場においてあることへの反対、抗議活動があります。
York:もとのスペインは何か言っていますか?
Owin:スペイン政府は、その像をよけたところで歴史は変わらないと言っていますが、黒人やインド人など多くの人々がそれに反対しています。
York:インド人が多いのですね。
Owin:この国は黒人奴隷以外に、インド人の移民もいました。彼らはとても安い給料で、劣悪な環境で働かされていました。コロンブスがトニダード島を発見した日は、今は解放デーとされています。
メモ:
トリニダード・トバコは西インド諸島で唯一、豊かな石油と天然ガスの資源がある国です。特徴としてインドからの移民(印橋)が多く、人種はアフリカ系 (41%) 、印僑 (41%) 、混血 (16%) 、ヨーロッパ系 (1%) 、その他華人等 (2%)となっています。奴隷によって支えられていた代表的なサトウキビ産業は2007年に消滅しまし、現在トバゴ島は観光産業が盛んです。
1830年代から、イギリス領インド帝国ではプランテーションでのサトウキビ栽培を目的とした出稼ぎ労働者が海外へと足を運んでいました。しかし、その扱いは奴隷並みで契約期間が切れても帰国できない者が多くいました。19世紀半ばにインド洋の覇権をイギリスと争ったザンジバルにインド出身の大富豪がいたため、ザンジバルへのインド人の移住も進んでいます。
しかし、1870年代以後、肉体労働を目的としたものだけではなく、技術者、商人、その他専門職として成功した印僑が現れ始めました。インド独立の父マハトマ・ガンディーも、有名になる以前は、南アフリカで活動していた弁護士でした。他にもイギリス植民地であった西インド諸島のトリニダード・トバゴや南アメリカのガイアナ、東アフリカのタンガニーカ、ケニア、ウガンダなどにインド系移民の移住が行われました。
1947年にインドが独立を果たした後は、肉体労働を目的に中東諸国へ渡る者達と、高い数学や英語などの学力を生かした知的労働を目的として欧米に渡る者達の2タイプに分かれるようになります。1980年代以降の現代ではIT産業を中心に、数多くの印僑が各国で活躍しています。
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