ロシア人に日本のひきこもりについて問われる
こんにちは。
今日はロシア人の58歳女性のOalさんにお話を伺いました。
York:日本の事で何か質問はありますか?
Oal:私は日本のhikikomoriの動画をみました。海外の記者が彼らにインタビューをしているものです。
York:精神科にも関係してくる日本の社会問題の一つです。
Oal:彼らはなぜ社会から自らを”隔離”しているのでしょうか。
York:社会からのプレッシャーが原因であったり、精神的な病気が原因であったり、様々です。この現代においてこの問題がクローズアップされているのは、どちらかというと、社会からのプレッシャーやそんな社会への不適合からくる側面が大きいと思います。もちろん、社会的ストレスが精神疾患のリスク自体を増大させるものでもありますが。さらに付け加えることとして、すでに日本ではある程度豊かになった社会を獲得した結果、、頑張って働いてお金を稼ぐ必然性が低下しています。
Oal:ソ連の時代は、教育にとてもお金がかけられていました。新しい学校がたくさん出来、多くの教師が雇用され、子供たちは自分の興味のある分野を選択し、深い知識を学ぶことができました。例えば、ある程度の宇宙工学を大学に行く前に学ぶことができたのです。
York:なるほど。それがソ連時代においてのみ成し遂げられたとするなら、なかなか信じがたいお話ですね。日本は明治時代の数十年で、一気に近代化しましたが、それは江戸時代からすでに多くの学校が作られていたことが下地にあってのことです。
Oal:これはソ連時代になってからの話です。ちなみにその時は自殺が問題となることはほぼなかったです。アルコールの問題も今ほど深刻ではありませんでした。また、日本のユーチューブで学校に行かない子供が有名となっているのも知りました。知っていますか?
York:存在だけは知っています。学校に行かないという在り方に関して、日本の社会はまだまだ受容的ではありません。Oalさんは家で子供を教えるホームスクールについてどう思いますか?
Oal:私は、アメリカで子供を家で教育していた時期があります。アメリカの学校のレベルはソ連より明らかに遅れています。例えば、ロシアの3rdグレードでできることをこちらでは7thグレードで教えています。
York:それが事実ならすごい差ですが、実際に宿題の量とかは多かったのでしょうか?
Oal:宿題は多かったですが、それだけではなく、教育システムの違いだと思います。
感想:Oalさんはかなりソ連時代の事を”良く”言っている印象でしたが、ソ連が少なくとも彼女やその周りの人間にとっては非常に満足の行く教育を提供していたということでもあります。実際に、ソ連時代の教育費はGDP比で世界でトップレベルでした。1991年に最終的に崩壊したにも関わらず、社会主義の全盛時代を振り返る時のロシア人の心にはソ連がいい記憶として残っているのが、日本人にはなかなか理解できないと感じました。