パプアニューギニアの村育ちはマラリアに必ず罹る
こんにちは。
今日は、パプアニューギニアの37歳男性Rodさんに、パプアニューギニアの感染症について教えてもらいました。
York:感染症は何が有名ですか?
Rod:一番はマラリアですね。感染症はこの国で非常に有名です。マラリア、狂犬病、水疱瘡、熱帯潰瘍などがあります。
York:マラリアに罹ったことはありますか?
Rod:何度もあります。私は山の中の村で育ったのですが、村で育つと必ず罹ります。祖父が家の裏のキナの木からキネーネというマラリアに効く成分を塗ってくれました。クロロキンという抗マラリア薬の元です。
York:マラリアで死ぬ人も多いですか?
Rod:今はそこまで多くないけど、治療しないと死にます。また、子供はそれで死ぬことがあります。私は37歳でマラリアに抵抗力がありますが、今の都市部で育った子供たちはどれほど抵抗力があるかわかりません。
York:ワクチンのようなものはないのですか?
Rod:ないですね。
York:Rodさん自身が一番苦しんだ感染症は何かありますか?
Rod:私は熱帯潰瘍(Tropical ulcer)に14歳の時に罹って、左足が潰瘍化し、歩くこともままなりませんでした。9か月松葉づえを使いました。
York:それは大変でしたね。
Rod:バクテリアが原因と言われています。薬はあまり効きませんでしたね。結局、自然回復です。
メモ:マラリアは「悪い空気」を意味する熱帯に広く分布する感染症です。悪性の場合は、意識障害や腎不全を起こして死に至ります。日本ではおこりという名前で古典に出てきます。日本では半世紀前に駆逐されていますが、有効なワクチンも未だ開発されておらず、毎年2億人以上の感染者が出ています。19世紀にヨーロッパ人がオーストラリアに定住でき、パプアニューギニアに定住できなかった最大の理由はマラリアをはじめとする熱帯病の存在であると言われています。
引用:
ジャレド ダイアモンド. 銃・病原菌・鉄 下巻 (No.2280-2281). Kindle 版.