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モンテネグロが独立したのち

こんにちは。

今日はモンテネグロのMilenさんに、ユーゴスラビア紛争についてお話を聞きました。

 

York:はじめまして。モンテネグロの歴史について教えてもらえないでしょうか?

 

Milen: 私はモンテネグロに住んでいます。この国はユーゴスラビア社会主義連邦協和国という強力な国の一部でした。しかし、冷戦終結後の1992年に解体され、その後はユーゴスラビア紛争という戦争を経て、7つの国家に分裂し、現在に至ります。

 

YorK:同時に分かれたわけではなかったですね。

 

Milen:そうですね。スロベニアが最初に抜けました。モンテネグロはセルビアとともに2006年まで同じ国として歩み、最後に独立した国です。

 

York:独立して良かったと思いますか?

 

Milen:モンテネグロの前政権は国外にいるモンテネグロ人に選挙権を与えませんでした。それをすると自分たちが負けると分かっていたからです。それで約30年この国は政権が交代せず、共産主義政権が続いていました。

 

York:紛争の時代が最近まで続いていて、今もその記憶が残っているかと思います。

 

Milen:セルビアから逃げ出してきたモンテネグロ人を知っています。彼らは両親や祖父母や兄弟ら家族をセルビア人に殺されてしまいました。

 

York:それは残念です。

Milen:しかし、家族をイスラム教徒に殺されたセルビア人もたくさんいます。私達や彼らは、違う場所で同じことをし合っているのです。

メモ:

モンテネグロは21世紀に独立を果たした国家です。前身はユーゴスラビア紛争によるユーゴスラビア社会主義連邦共和国の解体によって成立したユーゴスラビア連邦共和国(1992年-2003年)およびセルビア・モンテネグロ(2003年-2006年)を構成する2つの共和国のうちのひとつ、モンテネグロ共和国でした。


言語的、文化的にはモンテネグロ人とセルビア人の違いはほとんどないようです。宗教も同じ正教会で、セルビアで主流のセルビア正教会の他に、マケドニア正教会とセルビア正教会に併合されたモンテネグロ正教会があります。

 

なお、中国はモンテネグロを一帯一路政策の対象国の一つと位置付け、インフラストラクチャー整備への融資や労働者派遣を行っています。首都ポドゴリツァを経由し、セルビアを結ぶモンテネグロ初の高速道路(165キロメートル)建設が有名です。中国からの融資により行われていますが、返済不能となった場合に中国がモンテネグロの土地・財産を取得できる契約となっているため、モンテネグロ国内でも警戒する意見があります。なお、この計画は、採算が見込めないとして欧州の銀行が融資を拒否しました。